中古車が市場に流通する仕組みとは

「中古」というのは、すでに誰かが一度使用しているということです。自動車の場合は、誰かが一度所有し、「乗った」ということです。

車はひとつの財産ともいえるほど高価なものです。車を所有することは以前ではひとつのステータスのように扱われたこともあるほど、「大人」として、「社会人」として、ステータスであったこともあるでしょう。そのような「車」が中古として市場に流通するのは、それらの車を所有している人が「乗り換える」ということをするからです。それも、「まだ乗れる」けれど「買い換える」ということがあるからです。

中古車が商品として市場に流通するには、その車を買い換える誰かがそこにいなければいけません。車はそう簡単に壊れてしまうようなものではありませんし、10万キロ走る車だってザラに存在します。こまめに点検し、手入れをしていれば、ほとんどの車は十分乗り手の意志に応えてくれるものなのです。

ですが、それでも車を乗り換えるというニーズが発生するのは、次々と世の中に新しいモデルの車が誕生するからでもあるでしょう。そして、車としての機能は維持できるものの、外観や内装、そして変えられない「デザイン」などが時代遅れになってしまうこともあるからです。そのようなことが「嫌」という人、車を次々と乗り換えることができるような人も、世の中には存在します。

新車をローンで購入しても、そのローンを払い終える頃にはもうそれは「新車ではない」ということです。そして、世の中の自動車メーカーは人に「乗り換えてもらう」ということがなければ、いくら新しいモデルの車を生産したところで意味がないということです。ですが、世の中は上向きかけているとはいえ不景気なもので、そう簡単に誰もが車を乗り換えることはできないのです。

そこで、自動車メーカーでは「乗り換え」を促進するさまざまなプランを用意しています。月々の金額を押さえて、ある程度の期間乗り続けた人が簡単に乗り換えられるようなプランが、最近では顕著です。そのようなプランでは、「ローン」を完済するというようなことではなく、「月々安いコストで常に新車に乗ることができる」というようなイメージです。

そのようにして、新しいモデルの車が一定期間経つと中古になるということです。中古になった車は、さまざまな中古車店で販売されることになります。

また、中古車はそのディーラー間をまたぐべく「オークション」にかけられることで、一気に地域を飛び越え、全国に流通していくのです。そのようにして生まれた「中古車」は、私たちの生活の足となり、私たちの暮らしの支えになってくれる存在なのです。

「誰かの使いふるし」と考えてしまうと、あまり良いイメージではないのですが、それだけではないということです。販売戦略として、中古車を生み出す仕組みを、メーカーが有していることもあるのです。そのような仕組みで次々と生まれる車も、新車同様価値のあるものではないでしょうか。

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